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コラム「異見と意見」

新たな挑戦『幼児・学童教育』

【企業が社会の一員として果たす役割】

 

 NCKは今年から本格的に幼児・学童教育に取り組むことにした。これは経営理念に定めた「社会に役立つ活動」であり、同時に「社会に役立つ仕事」を意識した最初の取り組みである。NCKがこのテーマに取り組むことにした背景を考えてみよう。

 日本は世界第2の経済大国と言われるようになって既に半世紀近く経った。その日本社会の現状を見ると、少子高齢化と経済の首都圏集中が進み、数少ない若者たちは経済活動が活発な首都圏に吸い寄せられ、地方社会は急速な人口減少を伴った高齢化社会へと変貌している。地方の経済活動は収縮し、各地で限界集落と言われる荒廃が進んでいる。それにも拘わらず企業は現状に目もくれず、今もなおひたすら業績拡大に走り、そのために不正を犯す企業も後を絶たない。業績至上主義、そして成果主義などの企業活動に感化され、国民も盲目的に物質的豊かさを求め、社会の一員としての認識も他者への思いやりもなく、立場に応じた役割も忘れ、自己中心的になってきているのではないだろうか。

 経済発展をリードしてきたのは企業である。その企業は社会人である社員を私物化して企業戦士に仕立て、自社業績拡大に駆り立てる中で、無意識のうちに社会や他を顧みない自己中心的な社会人を育てているといえる。NCKはそのような企業になってはならないとの思いから、社会と企業はGive & Takeという基本姿勢の下、①社会に役立つ仕事をしよう ②社会に役立つ活動をしよう ③社員と共に良き市民になろうという3つの経営理念を定め、それに基づく社員の指導育成に努め、今や「当社の常識は一般企業の非常識」と公言するまでの会社に成長した。

 

【三つ子の魂百までも】

 

 一方で、企業がどのような活動をするか、それは経営者次第である。その経営者予備軍であり将来の企業発展を担う立場にあるのは新たに社会人となる若者達である。しかし、その若者たちは就職活動で、“面白い仕事”、“自分の好みの仕事”、つまり自己満足のみを求めるなど、あたかも部活への入部か遊園地に遊びに行く感覚、あるいは安心安全な大企業、公務員など、あたかも“憩いの場所”探しをしているかの様で、社会人としての役割認識などみじんも感じられない。その若者たちに対する学校教育の場は、時代が要請する教育が何であるかを振り返ることもなく、あの欧米に追い付け追い越せと言っていた時代同様、いまだ受験秀才育成に明け暮れている。そのような現状認識と危機感から、私は後継経営陣の成長が不十分な中で、11年以上前に社長も取締役も自ら辞任し、以来社会に役立つ活動の一環として主に大学生を対象にした講演活動に取り組んできた。最近ではその講演対象範囲も高専生から高校、中学生にまで広がっている。その経験によれば、中学、高校、高専へと進むに連れて、当然のことながら純粋さが薄れ、大学生に至っては既に一般社会の影響を十分に受け、社会の一員としての意識も認識もなく、社会に無関心で役割も忘れ、しかしながら社会的精神的には幼稚なままの社会人になってしまっている。このような日本社会の状況をどうして改革するかを考えた時、ふと思い出したのは「汚れた川をきれいにするには、川の上流から綺麗にするしかない」というかねてからの主張、また「三つ子の魂百までも」という、古くから言われている言葉である。社会の上流は教育、教育の上流は幼児期。三つ子の教育こそが大切だとの認識で 幼児教育に取り組むことにした。

 

【社会に役立つ仕事への本格的な取り組み】

 

 しかしNCKには教育に関するノウハウも知識も経験もない。そこで考えたのが、私が中小企業対象の講演で常々主張している異業種提携であり、その提携先として選んだのが学習塾である。一方で私は、学習塾は受験秀才つくりの片棒を担いでいるとの認識から教育機関として評価していないが、偶然出会ったやる気スイッチグループには、その理念において共有できるものを感じた。提携によりNCKは教育ノウハウを得て教育に取り組むことが出来るだけでなく、新しい教育テーマや教育手法も生み出し、教育が抱える問題解決にも貢献出来る可能性があると考えている。

 NCKは近く創業30周年社史を発行するが、この30年間で、価値観を共有した良き社会人としての、素晴らしい社員によるIT技術者集団となり、また社会に評価される企業文化を持ち、社会に役立つ活動をする企業としての基礎つくりが出来たと言える。そして今、次の30年に向けたNCKの重要課題は、経営理念第1に定める「社会に役立つ仕事」への本格的な取り組みである。その最初のテーマとして先ずは私が口火を切って「幼児・学童教育」を提案した。これをきっかけに、海老名事務所や派遣先でIT技術者としての腕を磨いた先輩たちが率先して、目先の仕事だけでなく広く社会や市民に目を向けて、ITを活かした新たな「社会に役立つ仕事」を活発に提案するようになることを期待している。このような提案は、働く場所が派遣先か自社職場かに無関係に実行できることである。先輩が先輩らしく後輩たちをリードして行くことを期待している。 


(H29.12.14 記)