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コラム「異見と意見」

オバマ大統領のノーベル平和賞受賞と
NCKの地方社会活性化への挑戦

 アメリカのオバマ大統領が、2009年ノーベル平和賞を受賞することが決まった。ノルウェーノーベル賞委員会の、世界をアッと驚かせる、しかしすばらしい決定だったと思う。それにしてもなぜ当社の社内報の話題に、全く関係なさそうなこの二つの話題を並べるのか?先ずはオバマ大統領受賞理由を考えてみよう。
10月10日付読売新聞によると、授賞理由は次の通りである。

 

  1. 国際的な外交と諸国民の協力強化に向けた比類なき努力

  2. 「核兵器の無い世界」の構想とそれに向けた取り組み

  3. 国際機関の役割を重んじる多国間外交が中心的な位置を回復

  4. 米国は気候変動問題でより建設的な役割を演じている

  5. より良い未来に向け、世界の人々に希望を与えた

 

 世界が驚いたのも当然で、早朝の電話に起こされて通知を受けたオバマ大統領自身が驚いたという。これまでのノーベル賞は、既に成し遂げた成果に対して与えられて来た。しかし今回のオバマ大統領の場合、大統領になってわずか9ヶ月、授賞理由に上げられたような動きは今始まったばかりで、まだ成果が出ている訳ではない。特に受賞理由2は、既核保有国のエゴと非保有国の自国防衛権利が絡み、自分の生存期間中の実現可能性はないと大統領自身が認めるような課題である。それでもノーベル賞委員会がこれを評価したのは、受賞理由5にあげられた、世界に希望を与えた行動といえよう。この決定の背景には、オバマ大統領が掲げた世界の平和と地球環境を守ろうという人類共通の願い、理想に向かって、各国が利害を超えて取り組みを始めることを背後から支援する意図、戦略的な判断があるといえよう。東西冷戦終結後、唯一の超大国となったアメリカによる横暴で独善的とも言える行動は、民族、宗教間の不信を増大させ、今世界は生命の危険と貧困に苦しんでいる。さらに、唯一の被爆国としての日本は、長年にわたって世界に向け核廃絶を訴えて来たが、現実には既核保有国の独善の中で進展が無いばかりか、新たな核保有国が増加し続け、このままでは核廃絶など絶望的とも言える状況にある。そのような時、今なお唯一の経済的超大国であり、唯一の核兵器使用国であるアメリカの大統領が、世界に対して理想を掲げ、率先してこの難題に取り組もうという勇気ある行動を始めた歴史的意義は大きい。その理想と勇気ある行動はノーベル賞に値すると言える。

 

 一方でこの日本の現状を考えてみると、荒廃した戦後の日本に比べれば、世界第2の経済大国としての豊かさに満ち溢れている。しかしバブル経済崩壊以降、経済発展の負の部分が顕在化し、少子高齢化と相俟って地方社会は荒廃し、この日本は経済的豊かさと引換えに日本の文化も日本人の心も失ってしまったとさえ言える状態になっている。それでもなお日本社会では、企業も国民もただ盲目的に、単なる経済発展、経済活性化にひた走っている。この経済停滞を機に、ちょっと立ち止まり、経済発展の目的は何だったのかを冷静に考え、国家の発展と国民の幸せの為に今何をなすべきか、将来に向けた理想を掲げ、国も国民も力を合わせて、それに向かって取組むべきであると思う。この日本社会で経済活動をさせて頂いている当社は、技術進歩もビジネス競争も極めて激しいソフトウェア業というビジネス環境にあり、創業25周年を迎えるにしては、これといって誇れる技術も製品も無い。しかしながらそのビジネス面では未熟な当社には、その経営理念に燃えて入社してくれた、善意で誠実な実にすばらしい社員が居る。そして独自の理想を掲げ、社会との関係はGive &Takeという基本姿勢の下に、経済的物理的規模拡大を追い求めず、社会に役立つ仕事をすることを第一の経営理念として、無借金経営を続けてきた実績がある。そして今、この日本の現状を憂い、ITを業務とする会社として意欲と勇気を持って、インターネット時代にふさわしい勤務体制の開発と中小零細企業IT化支援を通じて、地方社会にも若者の残れるビジネス、生活環境の開拓と地方経済活性化へ向かって挑戦し始めている。身の程を知らない、ドン・キホーテにも似た取り組と言えなくも無い。しかしこれまでもバブル経済崩壊などの経済混乱期を含めて、好不況に関係なく新卒のみの採用を続け、人員整理もせず、無借金経営をやり遂げてきた。それでも地方活性化への取り組みは容易な事ではないだろう。しかし日本にとって極めて重要なテーマであり、オバマ大統領の理想の実現よりは、遥かに早く、確実に実現可能なテーマである。当社のような小さな会社に出来る事には限度もあろう。いや何も出来ないという人も居よう。しかし誰かがやらなければ誰もやらない。当社の活動がその輪が広がるキッカケになることも出来る。これからは全社員が仕事に注目し、本気で技術を磨き、ビジネス力を育て、力を合わせて、荒廃する地方社会の活性化に取り組もう。
 これは当社にとってノーベル賞にも値するテーマである。

 

(H21.10.13 記)