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日本コンピュータ開発

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コラム「異見と意見」COLUMN

入社式、それは自らの人生創作への出発点

皆さん、大学卒業と社会人としての新しい出発、誠におめでとうございます。(株)日本コンピュータ開発第19期生としての皆さんの入社を、社員と共に心から歓迎致します。

変革の激しい昨今の社会で、ほぼ一年前に採用内定をした皆さんが一人も欠けることなく、全員明るい表情で入社していただけることを、大変うれしく思います。

本日は、全国の企業で一斉に入社式が行われ、そこでは大勢の若者達が、新しい社会人としての門出に当っての祝辞や訓示をいただいている事でしょう。その内容はその企業独自の価値観に基づくもので、多くの企業ではこの日が企業戦士へ変身の出発点になっているかも知れません。しかし当社は、皆さんが企業戦士ではなく、会社と共に自立した良き社会人として成長してくれることを期待しています。

私はこの日に当って、昨年の就職セミナーから内定者懇談会を通じて、私が皆さんに語ってまいりました事の復習という形で、次のような事を再び申し上げたいと思います。

皆さんは本日を境にして、社会の中での立場が学生から社会人に変ります。これは皆さんがこの世に生まれて今日まで、育てられ、教育されて来た、即ち一方的に社会からの恩恵を被っても良かった Take Only の世代から、社会の恩恵を被って人生を楽しみながらも、その一方で自らもその社会を維持発展させるために、何らかの方法で社会に貢献する事が期待される、即ち Give & Take の世代に入るという事を意味します。

つまり学生までと社会人の違いは Give & Take – Take = Give 、即ち新たに Give を始めるという事にあります。就職というのは仕事を通じて社会に対して Give を始めようという事であり、決して会社に入社さえすれば、必要な教育をしてくれ、生活に必要なお金をくれるというものではありません。これからは自ら学び、自らの意志で働き、自ら社会の一員として Give するという心構えが大切です。会社は、その為の場を提供するに過ぎません。昨今の日本人に求められる大切な事の一つは、この自ら参画し行動するという自立の精神だと思います。

しかしながら新たに社会人となる若者達の多くは、学生と社会人の違いを深く考えることもなく、就職してからもなお、会社から社会から自分に都合の良い何かを与えてもらう事を無意識の内に期待し、そして失望し、この就職超氷河期と言われる中で厳しい就職活動を通じてやっと就職しておきながら、就職後3年以内にその3分の1の人が離職してしまうと言われています。これは社会人の基本が前述の通り Take ではなく Give にあるという事を認識していない事が主な原因だと思います。

私は丁度1ヶ月前のこの日社員の結婚式に招待され、披露宴だけでなく結婚式に参列させていただく機会がありました。そこで司祭様が「愛は永遠である」と言われていました。私は瞬間「本当だろうか」と思いました。しかしながら「愛は与えてもらうことを期待するものではなく自ら与えるもの」である限り「愛は永遠なり」と言えるのではないかと納得をしました。自らの行動により「与えること」こそが自らを幸せにし、自らの人生を豊かにするものだと思います。

私は結婚して間もなくの頃、義母から一冊の本をいただきました。その表題は「人生は芸術である」というものでした。本の内容は全く覚えておりませんが、この「人生は芸術である」という言葉は「反省はしても後悔はするな」という私自身の信念と共に、その後の私の生き方の原点となっています。「自分にしか与えられなかった、たった一度のこの人生を、自分の責任で自分らしく生きる」。これ程大切なことはないと思います。人生は「自らが描く、この世に唯一枚しかない絵、芸術作品」であり、その良し悪しを他人のせいにしても全く無意味であり、言い訳も無用です。

皆さんが本日入社致しましたこの(株)日本コンピュータ開発は、皆さんが企業戦士として経済至上主義の中で一生を消耗する場所ではありません。単純明解な3つの経営理念と2つの行動指針の下、皆さんが良き社会人として仕事を通じて社会に Giveすると共に、そこで自己表現、自己実現、自己成長を図る場所であると同時に、この世に唯一枚の絵を描くアトリエでもあります。本日が皆さんにとって自己の芸術作品創作の良き出発の日となる事を祈念し、入社に当たっての訓示と致します。

(2003.04.30 記)

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