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コラム「異見と意見」COLUMN

常識も規則も上司の指示さえも、破ることから新しい発展が始まる

安心、安全とは程遠い人生を送って思うこと

私は20歳のころから「反省はしても後悔はするな」という考えの下に生きて来た。そして今喜寿を迎えた。その77年の人生は、大分の片田舎で貧しい農家の3男として生まれ、生のサツマイモをかじって空腹をしのぎ、野山を駆け回りながら育った時に始まり、社会人としては、日本を代表する大企業への入社、最先端技術部門の開発技術者として始まった。そこで15年間勤務後、倒産の危機に直面した取引き先中小企業からの経営支援要請を受けて転職し、悪戦苦闘を経て正常軌道に乗せるや、次には知識も経験もなく言葉さえも分らないアメリカでの会社つくりという社長命令が待っていた。そこで暗中模索、悪戦苦闘の通算6年間の滞在で会社設立から顧客・製品開発、製造販売を軌道に乗せたところで、16年前に退社したあの大企業の孫会社に当たる当社に出戻ることとなり既に28年。今では「当社の常識は一般企業の非常識」と公言する、独自の経営理念に基づく、全株式を社員が所有するという会社に育てた。その歩いた道は一般常識とは大きくかけ離れた人生であった。

そして今思う。「社会常識や法律はもとより、ビジネス生活での規則や上司の指示でさえも、それを破る勢いの中に、集団としての進歩、成長、新しい発展がある」と。

それでも人間は一人では生きていけない動物であり、集団生活である社会には守るべきことがある。守るべきことは守り、破るべきことは勇気をもって破ることこそが大切だ。何をどう破るかで活気が生じ、人はその破り方に新鮮な魅力を感じ、その破り方こそがその集団、その人の品格を表すといえるかも知れない。

記録は破るためにある。常識、法律、規則や上司の指示さえも

リオ・オリンピックが終わった。この間テレビにくぎ付けになり、選手たちの活躍に声援を送り一喜一憂した人は多い。日本選手の活躍は私たちに数々の感動を与えてくれた。次々に日本初の快挙をなし、世界初の記録さえも生みだした。それは長期にわたる、血と汗がにじむ厳しい努力、練習の成果である。その努力は常に記録破りへの挑戦であった。

そのようなスポーツに限らず、科学技術の世界や日常生活でも、人々は既存の記録を破ることに喜びや意義を感じるという実態がある。ギネスブックをご存じだろう。記録更新はある意味での成長であり発展である。しかしながら私たちの日常生活では、常識、法律や規則に、会社にあっては上司の指示命令に忠実に、無条件に従って行動することを良しとする風潮がある。その中に留まることの安楽さを好んでいるようにも見える。

しかし考えてみるがいい。常識や法律、規則でさえもすべて過去からの遺産である。いまやDNAやゲノム解析が進み、宇宙、地球の誕生から人類の起源と進化などの過去の常識が書き換えられている。価値観を含めた激変の時代にも関わらず、私たちは常識や法律、規則やマニュアルを、その生まれの背景を考えることなく盲目的に覚え、ビジネス世界では上司の指示を待ち、それらに忠実に(その枠内で)行動することを良しとしていないだろうか。その誤解や自分勝手な理解で、とんでもない行動をする者さえ現れる。最近発生した東芝事件、あるいはあの障害者殺傷事件はその一例であろう。人には誰にもその人にしか与えられなかったその人独自の人生があり、独自の能力がある。その能力を磨き、行動に活かし、その人なりに生きてこそ、世の中に生まれてきた甲斐があるというもの。

人が守るべきたった一つの原則、NCKでは?

私は社会生活の中で守らなければならないこと、それはたった一つ、次の原則であると考える。

「人は誰も、意識するかしないかの別はあっても、皆幸せを求めて生きている。同時に他人の幸せを邪魔する権利は誰にもない」

その原則に基づく限り、誰が決めたとも知れない常識や法律、道徳でさえも、無条件に守るのではなくむしろ破る(更改する)のがよいと考える。

では「当社の常識は一般企業の非常識」と公言するNCKにおいては何を守るべきか。それは社内規則やマニュアル、上司の指示ではなく、集団として共有する価値観、共通の目標、つまり基本姿勢と経営理念、それを実現する手段としての事業目標である。

そのためにも過去に明文化され、皆さんのもとに届けられた週刊NCK、竹の子、その集大成といえる青冊子を再吟味し、NCKという会社の価値観、目指す目標、その背景を学び正しく理解し、その上で自分の能力に応じて自らも考え、既存の常識や規則規定、マニュアルや上司の指示に無条件に従うのではなく、むしろ破り(更新し)、先輩は先輩らしくある一方で、部下や後輩は、自から上司の指示や先輩を超える提案をすることを目指そう。NCKはそういう会社であり、それがNCKの発展と社員の成長となる。

(2016.09.07 記)

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